HOME > スタッフブログ > プ●イムビ●オでモトを取る! プロがすすめる名作映画

スタッフブログ

tangesazenyowa_hyakumanryounotubo1-thumb-450x320-2068

プ●イムビ●オでモトを取る! プロがすすめる名作映画

こんにちは、マーケティング部門のナヤです。

今年に入り「何か新しいことにチャレンジしよう」と思い、シナリオ学校の基礎講座へ通いだしました。

映画や演劇がそれほど好き、というわけでもなかったのですが、「書いたり構成を考えたりするから、仕事のライティングにも役立つかもしれない」と、なんとなく連想してのことです。

結論から申し上げますと、記事ライティングと脚本はあまり関係はない、というかまったく別物で目論見はみごとに外れてしまいました(笑)。

しかしその一方で得たものが、プロの脚本家お墨付きの名作映画を見る楽しみです。

「Amaz●nであんまり買い物しないから月会費もったいないし、解約しようかな」と思いながらダラダラ続けていたプライム某が、今になって大活躍しています。

そこで今回のブログネタは、シナリオ学校講師が「これは絶対見とけ」とすすめる名作で、自分も実際に面白いと思ったものをピックアップします。

古い作品ばかりですが、時代を超えて生き続け、今なおプロ脚本家たちのお手本とされているだけあって最後まで飽きさせません。

「最近の映画やドラマが面白くないなー」と感じている人は、こういうところからアプローチしてみてはいかがでしょうか。

ちなみに、映画の著作権切れは公開後70年。今回ご紹介する映画はいずれも公開から70年以上経っている作品なので画像引用させていただきました。

 

山中貞雄監督『丹下左膳余話 百万両の壺』

tangesazenyowa_hyakumanryounotubo1-thumb-450x320-2068

数ある丹下左膳シリーズの中でも最高傑作とされるのがこれ。「日本の名画ランキング」があれば必ずと言っていいほど上位にランクインしています。

天才映画監督と言われながら戦争でわずか28歳の生涯を閉じた山中貞雄監督の作品。「時代劇六大スタア」の一人、大河内 傳次郎が主役を演じています。

 

丹下左膳(たんげさぜん)は矢場(遊技場)の用心棒。隻眼・隻腕の凄腕剣士で、見た目・服装・態度のすべてがめちゃくちゃ濃いダークヒーローです。

物語はある藩の殿様が百万両の価値ある壺をうっかり手放してしまい、それを取り戻そうと画策するところから始まります。

その壺をひょんなきっかけで手に入れた幼い安吉や、みなしごになった安吉を育てることに決めた左膳、殿様の弟なのに矢場に出入りして左膳とツーカーの仲になるうっかりものの道場主など、上から下までさまざまな人物が入り乱れて壺をめぐる騒動が巻き起こります。

左膳と矢場のおかみ・お藤との悪口の掛け合いも「仲がいいほど喧嘩する」という言葉のとおりでもはや名物です。

最後の伏線回収は「なるほど、そう来るか……」と思わせる鮮やかさで、爽快なカタルシス。

チャンバラシーンは少なめなのでアクションを期待する人にはちょっと物足りないかもしれません。その代わりホームコメディ的なお笑い要素が山盛りで、何度も声をあげて笑ってしまいました。

丹下左膳シリーズは新聞小説が原作で、もともとの作風はニヒルな異形のヒーローがバッタバッタと人を斬り倒すハードボイルドタッチだったようです。

この映画ではそれまでの左膳像を一変させ、温かい人情ドラマや左膳のチャーミングな面を強く打ち出したため、原作者の遺族からクレームが来てしまったとのこと。

でもこの映画が大ヒットしたおかげで、それ以来、丹下左膳シリーズを制作するときのイメージは山中版をベースにするのが慣例になりました。

 

ビリー・ワイルダー監督『サンセット大通り』

images

375px-Gloria_Swanson_and_William_Holden

シナリオ学校の講義ではビリー・ワイルダーとニール・サイモンの名前がセットで出ない日はありません。

ビリー・ワイルダーといえば、マリリン・モンローの『お熱いのがお好き』、オードリー・ヘップバーンの『昼下がりの情事』などの名作を生み出したハリウッドの巨匠。

一方のニール・サイモンは舞台を中心に活躍した人で、三谷幸喜や宮藤官九郎などが教科書的存在と崇める劇作家です。

「なんだか神さまのようにスゴイらしい人の作品」という理由だけで見た『サンセット大通り』ですが、のっけから最後まで、画面から目を離せませんでした。

 

昔はハリウッドの大スター、今は世間から忘れ去られた女優。現実と向き合うことを避けながら荒れた豪邸に住んでいます。そこに迷い込んできた売れない脚本家を強引な方法で囲い込み、自分が銀幕にカムバックするためのオリジナルシナリオを書けと強要。

彼女はお金はふんだんに持っているので、貧乏脚本家は不本意ではありましたが借金取りに追われる生活から逃れたくて彼女の言うことに従います。

イヤイヤながら元女優のための仕事に取り掛かりますが、脚本家のタマゴの若い女性と出会って意気投合。彼女に見せられない不自然な生活を送っている自分に嫌気がさして……

主演女優グロリア・スワンソンの狂気の演技、アゴをグイッと上げた姿、夢に出てきそうです。

過去の栄光にしがみつく元女優の執念と悲哀、元女優の夢を壊さないように偽モノのファンレターを書き続ける執事、自由にはばたきたい脚本家と彼にシナリオの才能を見出される若い女性……

ゆがんだ愛情、ゆがんだ人間関係のエピソードがちりばめられているので、秘密が明らかになるにつれ、観るほうは「ひぇ~」となりながらもどんどん引き込まれてしまいます。

ハリウッドの栄華と虚飾を内側から見せる「内幕モノ」のドラマであり、異様な緊張感と迫力に「これからどうなる?」と引き込まれること間違いなしです。

 

以上、「さすが名作!」と、充実した気分になれる映画のご紹介でした。