HOME > 代表ブログ > スイーツ製造への挑戦

代表ブログ

スイーツ製造への挑戦

先日、事業再構築補助金(第11回:10月6日〆切)の申請をしました。新しく設けられた『産業構造転換枠』での申込です。補助金を活用して、スイーツの自社製造工場創設を目指しています。印刷会社が何故、スイーツの製造販売に取り組むことになったか、について少しお話します。

コロナ禍真っ只中の2022年2月、当社の顧問から衝撃の報告がありました。「次の5年で年賀状市場は三分の一に縮小する」との予測が出されたのです。日本郵便とも近い関係にある顧問が、詳細に分析した結果でした。年賀状印刷が売上の7割近くを占めていた当社にとって、これは事業存続の危機と受け止める他なく、代替事業の早期育成が、最優先課題になりました。

年賀市場予測

年賀状市場に限らず、印刷市場の減少も避けられない現実です。その認識は当然ありました。ですから、新規事業への取組は10年程前から積極的に行っています。住宅リフォーム事業、ランドセル事業、ギフト事業、等々、失敗した事業を含めると両手に余るほどです。

チャレンジした事業の中で、私が最も有望だと感じ、重点的に取り組んだ事業がギフト事業でした。市場規模が、10兆6,670億円(2022年度)、ECチャネルだけでも2兆8,500億円のボリュームがある巨大市場です。当社の強みを活かせる分野であり、将来の中核事業になるとの確信をもって投資してきました。

事業開始から4年。ギフト事業で優位性を確立するためには、自社ブランド製品の商品化が必須だと痛感しました。中でも、仕入原価が7割~8割で、在庫切れになることが多いスイーツを自社で提供出来ればメリットは計り知れません。高い利益率の確保、競合との明確な差別化、消費者のニーズへの迅速な対応。そして何より、自社ブランドの価値を高め、長期的な信頼とロイヤリティを築くことができます。当社が目指すのは、単なる事業の拡大ではありません。新しい価値を創出し、消費者にとっての選択肢を豊かにすることです。「これは、やるしかない」

補助金の申請書作成は、外部コンサルタントに頼ることなく、社内のメンバーと共に取り組みました。苦戦しましたが、自社で作成して本当に良かったと思います。なぜなら、これまで『ひらめき』で新規事業に取り組んでは失敗してきた私が、初めて、事業計画を作るために3C分析を詳細に行い、必要なリソースを明確にし、運営体制、スケジュール、必要設備、環境、将来ビジョン、等々、社内メンバーと共に一所懸命に知恵を絞ったからです。補助金申請が採択されるかどうかは分かりませんが、満足のいく事業計画になりました。

スイーツ

新工場では、クッキー、マドレーヌ、フィナンシェ、等の焼き洋菓子と、フルーツ大福、ミルク饅頭、等の和菓子を製造予定です。来年秋をメドに出荷を開始し、消費者の皆様に新しい味を提供します。また、試作品の試食会も予定しており、お客様の声を直接聞きながら、より良い商品を開発していく予定です。