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スタッフブログ

坂本花織選手おめでとう!宇野昌磨選手やりきった!髙橋大輔選手ありがとう!熱狂と感動の2018全日本フィギュアスケート選手権大会観戦記

またしても長すぎるタイトルで始まりました、マーケティング部門ライター・田中(と)のスケオタ観戦記第2弾です。
10月投稿の近畿ブロック編は「いくらなんでも前置きが長すぎる」と身内にダメ出しされたので、今回はギュギュッと濃縮絞りレポを心がけますよ!

熱戦を終えた出場選手たち

 

大変有難いことに、アーツの繁忙期ピークにもかかわらず3連休取得を許され、現地で男子ショート、女子フリー、男子フリーと生観戦させてもらえる幸運に恵まれました。
2018年はいろいろとありましたが……終わりよければすべて良し、これで1年を最高の形で締めくくれた!としあわせに浸れた3日間。なかでも特に印象深いのは……

「かおちゃん」こと坂本花織選手の劇的勝利!
なんと、ご家族と感動を共有するレアな体験!

演技終了直後、ガッツポーズする坂本花織選手

 

個人的なエピソードになるのですが、濃密な体験をぜひシェアさせてください。

私の座席目の前に座っていたご年配の婦人と紳士、しばらくは静かに観戦なさっていたのですが、最終グループの6分間練習スタート直前になると巨大な横断幕を広げ始めました。
そこには鮮やかなカラーで

坂 本 花 織

の文字が。このご夫婦、なんと坂本花織選手のお祖母さま&お祖父さま!
お隣には昨シーズンまで所属していたスケーティングクラブの会長さんも。つまり、めっちゃ「かおちゃん」(坂本花織選手の愛称)応援エリアだったんです。
それも、たぶん会場じゅうで一番濃密かつピンポイントな熱狂的ファンゾーン(そりゃあ身内ですもんね…笑)。

どの選手にもとにかく悔いが残らないよう納得いく演技をしてもらいたい。順位関係なく、ただそう願いながら目の前の選手を応援していた今年の女子シングルなのですが、最終滑走が始まるころには前から後ろから聞こえてくる「かおちゃん頑張って!」「いける!」の声に囲まれ、自分もかおちゃん熱烈応援隊の一員に加わっていました。

応援バナーを握りしめて「かおちゃーん!」と声援を送るお祖母ちゃま、堅く握りしめた手を何度も左右組み替えて静かに強く祈り続けるお祖父ちゃま。
3連続ジャンプを跳んでいる最中にも、後ろの列から関係者さんらしき人の「よし!次つくよつくよ!」「回れ~~!!」「降りたーー!!!やったーーーーー!!!!」という声が飛び、ひとつ、またひとつと、成功するたびにぐわあっと熱狂が高まっていきます。

そして見事、見た目ノーミスの素晴らしい出来でフィニッシュ!!!
会場中が大興奮の渦のなか、お祖母ちゃま&お祖父ちゃまがひときわ喜んでらして、その目には感動の涙も。
表彰式後、リンクサイドに上がったところでバナーを振るお祖母ちゃんを見つけた花織ちゃんは、「やったよ!」と満面の笑顔で親指を立てるサムズアップポーズを送っていました!
こんな素敵なお孫さんをもって、さぞかししあわせで誇らしいことでしょう…!

坂本花織選手、とりわけ素晴らしいと思ったのは、つい2週間前のグランプリファイナルからぐっと進化していたこと。
直近の試合で見つけた課題を見事に修正し、ジャンプの安定という面でも観客を引き込む表現の深みにおいても、見違えるように成長していました…!
あの圧巻のパフォーマンスはちょっと神がかり的でしたよね。4分があまりにあっという間でした。
直前に好演技が続いた最終滑走でそのプレッシャーに打ち勝ったことももちろん見事。
花織ちゃんとご家族、神戸フィギュアスケーティングクラブの皆さん、最後までプログラムのブラッシュアップを続けた振付のブノワ・リショー先生にも心から祝福を贈ります!!!

そしてお祖母ちゃまは表彰式の間、宮根キャスターもリンクサイドに駆け付けるなかテレビカメラが向けられて「あらっ。あのカメラこっち向いとる」「全国デビューしてしまうわぁ~」と恥ずかしそうにしてらっしゃいましたが、放送されたのでしょうか(笑)。
ちなみに私も巨大応援幕と一緒に中継に堂々映りこんでました満面の笑顔で。あの瞬間、すっかりかおちゃんファミリーと一体化していて嬉しかったです! ご家族の皆様、関係者の皆様、貴重な喜びの瞬間を共有させていただきありがとうございました。

四大陸選手権には大親友の三原舞依選手と一緒に出場できるとのこと。舞依ちゃんの滑りは全日本最大の癒しでした、心洗われるとはこのこと…とウットリでした。220点超えても表彰台に乗れない日本、どうかしています! いや本当に!
おふたりとも、今後の活躍を心から応援しています!!!

ベートーヴェンの精神を氷上に浮かび上がらせた宇野昌磨選手の『月光』

怪我を抱えながら魂の演技をぶつける宇野昌磨選手

 

男子フリーではなんといっても宇野昌磨選手の『月光』がハイライト。素晴らしい名プログラム、圧巻の技術と気迫、このうえないほど極上な音楽との調和、ベートーヴェンが描こうとした世界を氷の上に体現してくれた演技力。客席で見ていて、感動で涙がこぼれました。
なかでも、あの静けさを切り裂くように繰り出されるオイラー(元ハーフループ)のタイミング…!!
あれ以上の音ハメがこの世に存在するでしょうか。否!!!

山本草太くんとか島田高志郎くんとか木科雄登くんとか山隈太一朗くんとか(以下書ききれず割愛)注目選手の健闘にも勇気や笑顔や萌えや燃えをたくさんもらいましたが、24日のクリスマスイブは「宇野昌磨選手の日」でしたよね。
最初は足の怪我が思わしくないと聞いて「無理せんといて…大丈夫かな…」と心配するおかんモードで見ていたのですが、いつしか怪我のことも忘れ、昌磨くんのつくり出す世界にただただ引き込まれていました。

ベートーヴェンの『月光』は「月の光に照らされた湖上で波に揺らぐ小舟のようだ」と詩人が評したことでこの通称になったと言われていますが……
今シーズンかつてない重圧に苦しみ、滑りたいスケートの世界と求められる成績との間で揺れるアスリート宇野昌磨の心の揺らぎや葛藤、スケーターとしての決意、表現者としての信念がプログラムの音楽と重なって溶け合い、原曲の精神性をさらに深化させていたように感じます。

足の痛みの原因は強い捻挫だったとのこと、どうかお大事にしてください…!(表彰式でのペンギン歩きはたまらなく可愛かったけど…!!あれで見納めにしたい)
ちょっと休んで、課金はほどほどにゲームを満喫しながら肉たくさん食べて栄養つけようね! 野菜もなるべく、たまには食べようね!(おかんモード)

後輩とスケート界の未来を想う髙橋大輔選手。
その器の大きさに最大級の敬意と感謝を。

スポーツライター・矢内由美子さんのTwitterより。全文必読です!

 

近畿ブロックから観戦している身として、この話題に触れないわけにはいきません。
髙橋大輔選手。今シーズン、復帰を決断しこの舞台に戻ってきてくれて、全日本までの闘いを私たちスケートファンに見守らせてくれて、本当にありがとうございました。
一度現役を退いたアスリートにとって、闘いの最前線に戻るための体と心作りがどれだけ大変だったことか。それが分かるだけに、「世界と戦う覚悟を持ちきれなかった」との言葉で飾らずに心境を表現した髙橋選手に心からの敬意を表します。

引退直前、2014年さいたま開催の世界選手権を怪我で棄権された経緯があるので、2019年に同じ会場で観たかったという思いは正直とーーってもあるのですが……(笑)。
何より、フィギュアスケートの未来のために、後輩のチャンスをつくりたいという想いに胸打たれました。それを「後身に道を譲るため」と説明せず、一番は「自分の覚悟の問題」として説明したところにも、人柄が表れていますよね。

「もうちょっとワガママを貫いて、出たいなら出たいって言っていいんだよ…!? 挑戦するだけの権利も実力もこんなにあるんだよ…!?」という思いも正直めーーっちゃめちゃあるのですが(笑)、一番は、まず大ちゃんの決断をリスペクトしたいなという気持ちです。
そして「この人、やっぱりとことん男前だな!」と。

ほんの少し前まで進む道に迷っていた大ちゃんが、引退直前は試合でも辛そうな表情ばかりだった大ちゃんが、今シーズン本当に楽しそうに、キラキラとした少年のような笑顔で奇跡のような復帰劇を私たちにシェアしてくれた。今シーズン、日本のスケートファンはそのことが何より嬉しかったんですよね。

全日本選手権という一年で最も重要な、もしかしたら世界選手権よりも熾烈な大会で、出来に悔いは残るでしょうけれどそれでも正面からプレッシャーを受け止めて闘いの舞台に立ってくれたことが素晴らしかったと思います。
くれぐれも膝を大事に、来シーズンも頑張ってください!
そして皆さんおっしゃってますが、どうか、未完成の凄フリープログラムを来年も継続して滑りこんで、ノーミスで私たちに見せてください!!!
(まだまだ演技を見足りないファンからの精一杯のワガママ発言をお許しください…。まあ、続けてくれるだけで充分うれしいんですけどね!笑)

近畿選手権から全日本まで、2カ月半の旅がもたらしてくれたもの

トリプルアクセルをすべて成功させた細田采花選手

 

さらに、髙橋選手の復帰が無ければきっと足を運んでいなかったであろう近畿ブロックで出会った選手が、全日本でとてつもない感動を届けてくれました。
フリーでトリプルアクセル2度成功させた関西大学の細田采花選手、20年近いスケート人生の積み重ねを最後の全日本にぶつけて満場の涙を誘った笹原景一朗選手。
近畿ブロック大会から2カ月半でこんなにもアスリートは成長するものなのか、と驚嘆と感動で胸が震えました。
大ちゃんが語っていた「全日本には全日本だけの、その選手ごとの闘いがある」という言葉をまさに今大会、身をもって示してくれた2人だったと思います。
そういう意味でも、大ちゃん、近畿ブロックから参加してくれてここまでたどり着いてくれてありがとう!(笑)

余談ですが、毎年中継を担当しているフジテレビさんが今年は全選手生中継という英断に至ったのは、髙橋大輔選手のおかげなんじゃないかなと勝手に思っています。
近畿ブロック、西日本ブロックと毎回CSでの生放送があり、放送こそないものの東日本勢にもブロック大会から取材カメラが入って。取材スタッフも選手たちのバックボーン、全日本やスケートに賭ける熱い想いを肌で感じてくれて、それが全日本での好インタビューと実況放送に繋がっているんだろうなと。
甲子園出場高の野球部員に地方大会から密着取材し続けるローカル記者が、甲子園の季節にとっておきのエピソードを詰め込んで露出させてくれるのと同じですよ!
こうした取材姿勢がフィギュアスケートにも浸透してくれるよう、期待しています!
(アナウンサーさんの実況も、とーっても選手に寄り添った、貴重な裏話満載かつ的確で分かりやすく素晴らしいものだったことを書き添えておきます。この嬉しい変化の影には、中野友加里ちゃんの働きもあるんでしょうかね…!?)

そうそう。まだチェックされていない方は、ぜひ全選手インタビュー笹原景一朗選手編を動画でご覧ください(できればどうにか滑りも見てほしいですが)。
泣けます!これが全日本だ!!

全日本最大級の楽しみ、それはコーチウォッチング!

島田高志郎選手とステファン・ランビエルコーチのKiss & Cry

 

まだ続きますよ(笑)。全日本観戦の楽しみ方は選手の演技を観ることだけじゃありません!

何をかくそう、私は大のコーチ好き。特に、元選手のイケメン&美女コーチの奮闘をウォッチするのが楽しいんですよね(現おじいちゃん・おばあちゃん先生を含む)。
今年のジュニアグランプリファイナルでは引退して間もないブライアン・ジュベール先生とステファン・ランビエル先生がそれぞれコーチとして帯同するという素敵な光景を拝めましたが、ステファン先生は全日本のキスアンドクライでも島田高志郎くんの隣で熱く細やかな指導の一端を見せてくれましたね!
現役時代から周囲にステファン・ランビエル愛を叫び続けている私としてはたまらなく嬉しかったです。

キスアンドクライ映像、何度も見返しつつ耳を澄ませて聞き入ったんですが、得点が出てバックステージに引き上げる直前、ステファン先生は最後に“This battle has done.”(闘いは終わった)と一言。なんてカッコイイ…!!
ちなみに宇野昌磨選手のキスクラでも山田満知子先生と樋口美穂子先生が「終わった、終わった!」と昌磨くんを連行するように退場していて、言ってる内容は同じはずなのにその雰囲気のギャップが……(笑)。

満知子先生&美穂子先生はさすがに世代が違うのですが、私が生観戦を始めた頃に現役選手として活躍されていた方々が、今はコーチや振付師として全日本出場選手に帯同している姿を見ると、いつも胸が熱くなります。
今回、私が常日頃ご贔屓にしている田村岳斗先生の愛弟子・木科雄登くんが熱演を見せてくれましたが、木科選手、いたるところに選手時代の岳斗先生の面影が…!! お顔立ちもちょっと似ていますし、跳び方や手足の使い方、足首の柔らかさも共通しているような?
そんなポイントも味わいながら、コーチ陣の日々の奮闘の成果がお披露目される大舞台を見られるのがたまらなく嬉しいのです。

そしてこの楽しみは年々、年を重ねるごとに大きくなっていくものだから、一度全日本を生で見てしまうとスケオタはやめられません!
個人的には佐々木彰生くんや太田由希奈ちゃんがコーチとして全日本でキスアンドクライに座ってくれる日をいつ見られるのか、とっても楽しみにしています。

ふー……まだまだ語りつくせないのですが、さすがにこの辺でお開きにしましょうか(笑)。
今回は前回よりちょっとだけコンパクトに、それでもだいぶ長く総文字6,000字以上。
ますますマニアックな内容になりました…(笑)。最後までお付き合いありがとうございました!

追記:
最後に、会場で振った手づくり手ぬぐいバナーを載せておきます(作りかけで糊の乾いていない状態で撮影)。
裁縫や工作が大の苦手な私、取り出して隣の方に笑いをかみ殺されるような中学生の手習い工作レベルな仕上がりですが、愛だけはこもっています!愛だけは…!!
頑張れ山本草太選手!な応援バナー。フリーの『信長協奏曲』、めっっちゃシビれました……!

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