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土楽の土鍋 その後~口付黒鍋、こう使ってます

以前のこのブログで、伊賀焼の「土楽(どらく)」という窯でつくっている土鍋「口付黒鍋」についてお話ししました。

そのときはまだ手に入れたばかりだった、直径が1尺(約31㎝)の大きな黒鍋。
あれから1年と少し経ち、ピカピカだった土鍋がどうなったか、我が家ではどんなふうに使っているか、ご紹介したいと思います。

土鍋の底は汚れる!

土楽さんの土鍋は、使ううちに細かなヒビが入って、強火で熱しても割れにくい、丈夫な鍋に成長していきます。

では使い始めて1年と数か月経った私の土鍋はどうなったか。底を見るとこんな感じです。

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▲はっきり十字にヒビが入っています。

こんなにヒビが入って大丈夫なのか、こうやって写真をあらためて見ると不安がよぎりますが、鍋のヘリにまで続くヒビでなければ問題ないらしいので、気にせず使っています。
底の黒いシミは、鍋の中身がヒビから染み出て焦げてしまったときのもの。
こんなふうに鍋底が汚れたり、調理中に炎の色が変わったりするときは、前回の記事でご紹介した「目止め」のお粥を再度炊くとよいそう。実際炊いてみると焦げなくなりました。

鍋底はあまり洗わないほうがいいそうなので(釉薬がかかってないから、染みたり欠けたりするからだと思います)、使うほど汚れていく一方です。
ちなみに10年以上酷使し続けている、我が家の9寸サイズの黒鍋はこう。

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▲あまりにキタナイので載せるのを躊躇しましたが、恥を忍んで…。何度もお粥を炊き直し、あらゆる調理に使っていますが、まだまだ現役です!!

尺寸の黒鍋は煮炊き専用に

尺寸の大きな黒鍋を我が家に迎えるにあたって、いちばん心配だったのがそのサイズでした。

「コンロの上をふさがないか問題」と「我が家の引き出しに納まるのか問題」は無事解決したことは前回お話しした通りですが、使ってみるとやっぱり大きい!!!
土楽さんの土鍋がスゴいのは、土鍋なのに炒め物や焼物ができるところなのですが、フライパン感覚で使うには、尺寸は大きすぎました。

何より想定外だったのが、その深さ。

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▲立ち上がり部分が大きく、深くなっています。

ごはんを炊いたり鍋物をしたりするのにはたっぷり入っていいのですが、底の平たい部分の面積が少ないので、お肉に焼き目を付けるような調理法にはちょっと使いづらいのです。

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▲左が9寸、右が尺寸の黒鍋。底の平たい部分の面積は大差ないように感じます。

…というわけで我が家では、フライパン的に使いたいときはこれまで通り9寸の黒鍋を活用、尺寸のほうは「煮炊き専用鍋」というポジションに落ち着きました。
尺寸の黒鍋のたっぷり感があれば、炊飯するなら具財たっぷりの炊き込みご飯でも5合くらい余裕。
「今日は鍋!」っていう日も、だし汁をたっぷり湛えてぬっくぬくの存在感を発揮してくれます。
鍋底に少量のごま油と刻んだニンニク&ショウガを加えて香りを出し、ひき肉や豆板醤やらを炒めてスープを加え、豆腐を3丁ぐらい放り込んで、鍋いっぱいの麻婆豆腐…なんていうのも、幸せです。
寒い季節は毎日のように活躍してくれています。

おこげはどうやって落とす?

ところで、土鍋でごはんを炊く醍醐味のひとつといえば、鍋底にできたおこげではないでしょうか。我が家の子どもたちもおこげが大好きで、いつも争奪戦を繰り広げています。

ただ、おこげを作ると、あとの手入れがちょっと面倒なんですよね。こびりついたごはんが、なかなか頑固なのです。
しばらくお湯に浸してふやかしても、なかなかするっとは落ちてくれません。シリコン製のスクレーバーを使ってもダメ。
尺寸の黒鍋を買ってすぐのころ、取れないおこげを指でガリガリ落とそうとして、小さな釉薬のめくれが刺さり出血。それからというもの以前に増して「あー片付けめんどくさいなー」という気持ちが大きくなりました。

ですが!最近良き道具を見つけたのです。それがこちら。

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▲ご存じの方も多いであろう、無印良品のヘラ。お値段80円也。

以前から掃除用には愛用していたのですが、これがおこげ落としにもぴったり!
食事のあとの冷めた土鍋にお湯を張ってしばらくふやかした後(私はこの間に他の食器類の片づけをします)、これを使って優しく削ると…あんなに頑固だったおこげも、あらまあ、簡単に取れるじゃないですか!
土鍋ごはんが大好きな私にとって、ますます手放せないヘラとなったのでした(ただ先端が硬いので、鍋肌を傷つけてしまう恐れもあります。ご使用は自己責任でお願いしますね)。

土鍋はすごい!

コロナ禍ですっかり外食の機会が減り、おうちで食事を作る機会が増えました。土鍋を使って、今まで家で作ったことのなかったメニューにチャレンジしたり、こんなときだからこその充実した食生活を楽しんでいます。

とはいえ、せっかくの休日が3食の用意でぐったり、ってこともしょっちゅう。
そんな「もうご飯づくりはうんざり」って日も、土鍋は活躍してくれます。なんてったって、いつもの白ごはんを土鍋で炊くだけで、香り高いご馳走になるんですから。
子どもたちも「今日のごはんおいしーい♪」と(大したおかずが無くても)モリモリ食べてくれるので、つくりがいがあるというものです。

さて、料理人の意欲もチャージされたところで…次は何つくろう?