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土鍋でごはん! ~土楽・口付黒鍋のこと~

食欲の秋です。
今の時季、美味しいものは山ほどありますが、何といっても新米!
白いごはんが旨けりゃ、どんなおかずでも箸が進みます。
お米を炊くとき、我が家で日常的に使っているのは炊飯器ですが、休日など時間に余裕があるときには、土鍋が登場します。

私が愛用している土鍋は、口付黒鍋 といって、
「土楽(どらく)」という伊賀焼の窯が作っているもの。→詳しくはコチラ
ぽってりとした黒い釉薬が艶やかで、見た目にも美しい土鍋です。
料亭などでも使われていて、その世界(?)では有名なんだそう。
あの「ほぼ日」のサイトなどでも販売されているので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

この土鍋、本当にスゴいんです。
土鍋なのになんと、炒め物ができる! ステーキも焼ける!
今日は、この土鍋の魅力をご紹介してみたいと思います。

土楽の口付黒鍋のこと

土楽さんの土鍋は、 伊賀で取れる粘土を使い、ひとつずつろくろ引きで手作りされたもの。
炒めたり焼いたりできるのは、一般の土鍋より耐火・耐熱性に優れているからだそう。

土楽さんでは、この土鍋を使った料理本も多数出版されているのですが、そこには「アラビアータ」「カリカリチキン」「麻婆豆腐」など、土鍋で作るとは到底思えないレシピがずらり並んでいます。

そしてこれを、きちんと土鍋を使って作ると、まあ、美味しいこと!
たとえば「カリカリチキン」 は、手羽中にカレー粉をまぶして焼くだけの簡単メニューですが、土鍋で丁寧に火を入れると、皮はパリッと、中はふっくらジューシーに仕上がります。
じつはこれ、ごく普通のフライパンで作ってみたこともあるのですが、出来上がりはおよそ別物。
土楽さんの土鍋の威力を思い知ったのでした。

そんな土鍋ですから、ご飯を炊いても、ほんとうに美味しく炊き上がります。
粒がキラキラ輝いて、宝石のよう。
土鍋ごと、どーんと食卓の中心に置いて、白米を主役にいただきます。
冷めてもふっくら、香りが良いので、残りご飯をお弁当にするのもちょっとした楽しみです。

口付黒鍋の大きさ

私はもう十年近く、この土楽の口付黒鍋の9寸サイズ(直径約28㎝)を愛用しています。
ウェブサイトでは3~4人用となっていますが、私の感覚ではそれより小さめ。
ご飯なら3合炊くのがちょうどいい大きさだと思います。

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▲これは米4合にたっぷりの黒枝豆を入れたとき。溢れんばかりになってしまいました。

見た目以上に軽くて扱いやすく、これはこれで重宝なサイズなのですが、最近、もっと大きいサイズも欲しいな、と感じるように。
我が家は4人家族なのですが、2人の子どもたちも大きくなってよく食べるようになり、先ほどご紹介したチキンを焼いたり、寄せ鍋などの鍋物したりするには、少し足りなくなってきたのです。

そして先日、ついに手にいれたのが尺寸の口付黒鍋。
直径が1尺(約31㎝)ですから、一般的なフライパンよりも大きいサイズです。
何しろ大きいので、家に持ち帰るまではいろいろ心配でした。

心配のひとつめは、コンロの上を塞いでしまわないかということ。
これは、土鍋の持ち手を縦にすれば、28cmのフライパンともギリギリ並べて使えました。

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▲油が跳ねて、土鍋が汚れるのが難点ですが…

そしてもうひとつ、懸念していたのが、「我が家の引き出しに納まるのか問題」。
これは尺寸→尺寸の蓋→9寸→9寸の蓋の順に重ねることで無事に解決。

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▲重ねた状態で約16cm。意外とコンパクトになり、引き出しにすっきり納まりました。

というわけで、新しい土鍋も、我が家のキッチンに無事、仲間入りを果たすことができました。

使い方のコツ

土楽さんの土鍋は、手に入れたその日にすぐ料理に使うことはできません。
いわゆる「目止め」という作業が必要です。

この作業ではまず、たっぷりの水と少しのごはんを入れ、ゆっくり弱火で熱していきます。
この土鍋は、火にかけると膨張し、ヒビが入ります。
ごはんを入れるのは、でんぷんでこのヒビを埋めて水漏れを防ぐため。
どろどろのおかゆになるまでゆっくり炊いたら、2日ほど放置し、浸透するのを待ちます。

土鍋にヒビが入っていくのはちょっと不安でもありますが、細かなヒビがたくさんはいることで、強火で熱しても割れにくい、丈夫な土鍋に成長していくのだそうです。

使うときも、急に強火にかけてはいけません。
弱火でゆっくり温めてから、徐々に火を強くしていきます。
片づけるときも、しっかり冷ましてから水洗いするのがポイント。
熱いまま水を掛けると割れてしまうそうなので注意です。

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▲左が10年使ってきた口付黒鍋の内部。釉薬の艶がなくなり、サラサラな鍋肌に。
右は買って数回使用した尺寸のほう。ヒビは入ってきていますが、まだツヤツヤです。

新しい土鍋は、始めのうちは鍋物に使ったりご飯を炊くなどして慣らしていき、炒め物や焼き物に使うのは、ヒビがたくさん入って火に馴染んでからのほうがよいとのこと。
我が家の新入りの口付黒鍋も、徐々に火に慣れてきました。
これからどんな料理に活躍してくれるか楽しみです。 その後の黒鍋は?続編はコチラ>>