こんにちは。マーケの西島です。
先月初め、大阪日本橋にある高島屋資料館へ行ってきました。「難波の高島屋は知っているけど、資料館って何?」と思う人も多いのではないでしょうか。
高島屋資料館は、高島屋東別館にあります。大阪の日本橋といえば、最近ではマニア向けのお店も増えた「でんでんタウン」や、大阪の台所として親しまれる「黒門市場」でおなじみですね。
日本橋エリアの堺筋に面して建つ、威風堂々とした近代建築物が高島屋東別館です。
車が通るので、思うような場所から寄って撮影できないのが残念。連続する1階部分のアーチが見どころなのですが…。このレトロな建物は、昭和の初めに松坂屋大阪店として建てられたもの。かつては、路面電車(市電)が通る堺筋が大阪のメインストリートだったそうですよ。
パンフレットによると、「建物全体は歴史様式にアール・デコ調の装飾デザインが取り入れられている」とのこと。外観の重厚な感じ、まさに由緒正しい百貨店という感じですよね。2019年には、国の有形文化財に登録されています。
この建物、2020年1月にリノベーションオープンしました。ホテル「シタディーンなんば」などを備えた複合施設になったのです。もちろん大理石の階段など、「今では再現不可能」なレトロな部分はそのままにリノベーション。華やかな百貨店建築の粋が、今も生きていますね。
ホテルがオープンしたということは、ホテルに泊まると「文化財に泊まる」ことになる! なんて素敵なんでしょう。ちなみに1階には「タリーズコーヒーショップ」もありますよ。「文化財でコーヒーを飲む」こともできるんですよね。
高島屋東別館の1階部分。大理石の階段が、往時の百貨店をほうふつとさせますね。洋風の建物では、階段が見せ場の一つなのだそうです。
1階部分をたっぷりと見学した後に、エレベーターで3階にある高島屋資料館へ。建物がリノベーションされてからは、初めての来館でした。
この資料館には、1831年に京都で古着木綿商として創業した、高島屋の歩みがぎゅっと凝縮されて、展示されています。「何や、歴史の勉強?」みたいに思いがちですが、これが違うんです。超有名な作家さんの手掛けた書画や絵画、陶芸、造形物といった美術品、工芸品、呉服、それから高島屋が使っていた歴代のポスターや包装紙、広告物などがずらりと並んでいます。竹内栖鳳や横山大観(日本画)、東郷青児(洋画)ら名だたる巨匠の作品もあります。
ぜいたくな逸品やものすごい美術品も鑑賞できるのですが、入館無料。なんと無料で見学できてしまうのです(←大事なことなので2度、書きました)。
写真撮影はできるものとできないものがあります。今回は写真撮影可能な展示物のみ、スマホで撮っています。
昔のポスターのほか、セルフポートレートの手法で知られる大阪出身の現代芸術家・森村泰昌が、そのポスターを自身で再現した作品も、展示されていました。実際は、離れた場所に展示されていましたが、比較のために写真をくっつけています。
高島屋のコーポレートマスコットであるローズちゃんもいっぱいいます。
なんとローズちゃんにはその前身となる存在「ハッピーちゃん」がいたんですって。知らなかった。。。
そして高島屋の社歌の楽譜も展示されていました。朝ドラ「エール」で話題になった古関裕而が手掛けていました!直筆の楽譜も展示されていましたよ。「オリンピック・マーチ」「六甲おろし」を手掛けた大作曲家に社歌を頼んでしまうなんて…。ちなみに古関裕而は多くの企業の社歌の作曲も行い、12月23日にそれらを集めたCDも日本コロムビアから発売される予定だとか。
そしてなんといっても、この資料館で見るべきお宝が「玉虫厨子模造」。法隆寺にある国宝の復元模造を作ってしまったという。。。恐るべし、高島屋。
一体、何匹の玉虫を使っているのでしょうか。このレプリカは1960年、高島屋大阪店で開催された「昆虫科学展覧会」で出展され、公開当時に大きな話題になったそうです! 昆虫大好きな子どもたちだけでなく、大人たちもびっくりだったでしょうね。
資料館の近くには、レトロなエレベーターも見学用に残されています(使用はできません)。「上り」「下り」の文字が、なんともかわいらしいです。
見どころとお宝満載の高島屋資料館。入館無料ですので、コロナが落ち着いたらぜひ、足を運んでみてくださいね。