倉敷市といえば、岡山を代表する観光スポットのひとつ。大原美術館のある美観地区を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
美観地区はもちろん素敵ですが、先日私が訪れたのは児島です。国産ジーンズ発祥の地としておなじみですね。でも、レトロ好きにはたまらないスポットでもあります。JR児島駅から出発し、お目当てのスポットを巡りました。
児島学生服資料館は懐かし看板の宝庫
児島駅前から下電バスが運行するジーンズバスに乗り、児島学生服資料館へ。
児島といえば、かつては学生服がさかんに作られていたところ。例えば現在は岡山市に本社がある菅公学生服も、児島がゆかりの地なのだそうです。児島学生服資料館に展示されている古い看板を見ると「乃木大将」「大楠公」など、時代背景もあってか、いわゆる「えらい人」にちなんだ会社名(?)が多いです。
昭和世代には懐かしい、アイドルのポスターもありました。朝ドラ「カムカムエブリバディ」で登場した雉真繊維のように、足袋からスタートした会社もあるようです。
ものすごくクラシックなランドセルも展示されていました。この資料館は入場無料。ベティスミスジーンズミュージアムからも近いので、こちらの資料館にもお立ち寄りくださいね。
旧野﨑家住宅で塩田王の大尽ぶりに圧倒される
再びジーンズバスに乗り、旧野﨑家住宅(国指定重要文化財)へ。野﨑家は塩田と新田開発で財を成した野﨑武左衛門が、天保年間から嘉永年間に次々に広げていったお屋敷です。
「江戸時代に民間で塩田をやっていたところはあまりないんじゃないかな。赤穂は藩がやっていたから」とは案内してくれたガイドさん。塩田王、恐るべし。
「敷地がものすごく広いから」とバスの運転手さんから教えていただいていました。が、まぁ、驚いた。パンフレットによると敷地面積は約3000坪、建物延床面積は1000坪近いとのこと。私がこのお屋敷で暮らしていたら、毎日迷子になっていたと思います。
立派な長屋門からの土蔵群。土蔵が2つあってもびっくりなのに、「群」って。。内蔵・大蔵・書類蔵・新蔵・岡蔵が並びます。
お座敷もいっぱいありました。建具は夏のしつらえになっています。
枯山水の庭園も、なんだかすごい。お茶室だってありました。
個人的に盛り上がったのは台所です。大正時代のトースター、自動洗米機や電気ストーブなどがありました。当時だとどえらい高級品のはず。
三菱重工製のパン焼き鍋とは。。。「パン」と「三菱重工」っていう、文字の並びに違和感があります。年度を見ると戦後のもの。おそらく戦後になって、同社が不要になった戦闘機の材料・ジェラルミンで製造したんでしょうね。
塩田の歴史を伝える第一展示館、野﨑家に伝わる調度品を紹介する第二展示館もあります。そんな展示館も込みで、大人500円で見学できます。
旧野﨑家住宅からは、ジーンズストリートへもほど近いです。おしゃれなデニムのお店が点在し、映えスポットやカフェもありましたよ。
廃線になった下津井電鉄の下津井駅
私、鉄分がちょっぴり濃いほうだったりします(告白)。というわけで、今は廃線となった下津井電鉄線のかつての下津井駅へ行きました。
かつて活躍していた車両もあります。
鉄道は廃線になっていますが、下津井電鉄は、現在は児島で路線バス事業やホテル運営などを行っています(会社名もそのままで)。私が乗った下電バスは同社が運行しているもの。児島観光には欠かせない交通手段です。前出のジーンズバスのほか、「日本の夕日百選」の夕景を楽しむことのできる「鷲羽山夕景鑑賞バス」なども運行しています。
実は、前回児島を訪ねた際は夕景鑑賞バスに乗車。しかし、一番の見どころである鷲羽山展望台で突然の土砂降りの雨に見舞われました。年間降雨量が少ない「晴れの国」を標榜する岡山で、まさかのピンポイント豪雨(雨女じゃないはずなのに)。素晴らしい夕景を見ることがかないませんでした。
児島でレトロを楽しみましたが、岡山にはまだまだ未見のレトロスポットがいっぱい。関西からも近いので、素晴らしい夕景のリベンジを果たすべく、また足を運びたいと思います。マーケ西島でした。