本日2026年3月6日、株式会社アーツは創立30周年を迎えました。
1996年3月6日、大阪府吹田市の小さな印刷ショップとして産声をあげたアーツ。私と妻と弟、そして定年を過ぎていた父にも手伝ってもらい、総勢10名ほどでのスタートでした。グラフィックデザインを学んだ後、印刷会社の営業として経験を積む中で、「一人ひとりのお客さまと個々の関係を作りたい」という思いが膨らみ、36歳で印刷会社設立を決意しました。
印刷業界の逆風と、忘れられない1年
創業当初は、印刷ショップと外回り営業で、それなりの収益を得ることができました。しかし創業8年を超えた頃から、印刷業界の市場規模が縮小し続ける現実に、強い危機感を抱くようになりました。
そして2010年。この年はアーツにとって「忘れられない1年」になりました。事業縮小や人員整理を余儀なくされ、設立3年目以降での最小売上を記録したのです。
このどん底の時期に、私は2つのことに取り組みました。一つは「ARTS VISION 2015」という中期ビジョンの策定。もう一つは「アーツクレド」の策定です。業績が悪化し不安を抱えた社員が前を向くために、まず必要だったのは理念の共有でした。社員の判断・行動の拠り所となるクレドを、私がベースを作り、社員の意見も積極的に取り入れながら全員で作り上げました。現在はVersion 6.0となったクレドですが、ミッションである「WEBを通して、オリジナリティのある商品及びオーダーメイド製品を提供することで、世界中に利便性とプラスアルファの価値を提供する」という志は、初版から一貫して変わっていません。
当時の社員にとって「ARTS VISION 2015」は「社長の戯言」に聞こえたかもしれません。それでも、クレドの価値観を共有し、前を見て一緒に頑張ってくれた社員たちのおかげで、5年間で売上は5倍以上に伸び、過去最高の業績を達成することができました。
2つの大きな転機
この30年を振り返ると、大きな転機が2回ありました。
1回目は、2008年にWEB印刷通販に参入したときです。翌年にオープンした年賀状印刷の専門サイト「おたより本舗」が予想を上回る成果を上げ、印刷通販専業への転換に確信を持てました。
2回目は、2013年にくつろぎホームを設立し、住宅リフォーム事業に参入したときです。印刷とは全く異なる業界でしたが、1年以上の準備期間を経てWEBを軸にビジネスモデルを構築。この経験が「未経験の分野でもWEB戦略は生かせる」という自信になり、その後の多角化経営への原動力となりました。
たくさんの失敗が教えてくれたこと
もちろん、すべてが順調だったわけではありません。家事代行事業、ベビーベッドレンタル事業、アクセサリー販売事業、リユース事業など、数え切れないほどの新規事業に挑戦し、その多くが失敗に終わりました。しかし私は、これらの「失敗法則」を学べたことが大きかったと考えています。クレドの第11条にも「困難な課題に常にチャレンジします。結果の失敗は、成長への貴重な経験になります」とある通り、失敗を恐れない文化こそがアーツの強みです。その後に立ち上げた株式会社羽倉のランドセル事業やギフト事業「GIFTA」では、その教訓を存分に生かすことができました。
旧ブログのタイトルにもしていた「何があってもへっちゃら♪」——社長は失敗を恐れず、くよくよせずに笑い飛ばして、さらにチャレンジする。その先にきっと明るい未来がある。この精神こそが、30年間アーツを支えてきたDNAだと思っています。
30周年、そしてこれから
年初の全体朝礼で、社員に2つのことを、再度、伝えました。一つは、30周年という節目の年であること。もう一つは、この節目に長男の常務へ代表を交代する予定であることです。私がアーツを創業したのが36歳。常務もちょうど今年36歳を迎えます。不思議な巡り合わせを感じています。
長年の柱であった年賀状印刷事業が急減するなど、環境は楽観できるものではありません。だからこそ、この30周年を「挑戦と再出発の年」と位置づけました。スイーツブランド「LE COCON」の実店舗展開、くつろぎホームのショールームオープン、マーケティングオートメーションの導入など、次のステージに向けた種まきは始まっています。
新しい世代が「へっちゃら精神」のDNAを受け継ぎながら、アーツをさらに進化させてくれると確信しています。約150万人のお客さまに支えられ、ここまで歩んでこられたことに心から感謝いたします。次の30年も、WEBを軸に、暮らしを豊かにするお手伝いを続けてまいります。
株式会社アーツ 代表取締役社長 黒木伸治
▼ 友人から素敵なお花が、たった今、届きました。感謝。

