京都・円山公園といえば春の桜で有名ですが、
この週末はちょうど紅葉が見ごろです。
その円山公園に隣接して建つのが『長楽館』。
既に皆さんもよくご存知かと思いますが、
明治時代は西の鹿鳴館とも称されていた素敵な洋館です。
今年、テレビ東京系列【新美の巨人たち】で放送されていました。
私も雑誌の企画で取材・撮影したことがあります。
明治42年、まだ専売公社が設立される前の時代……、
『たばこ王』と呼ばれた実業家が巨万の富を背景に
莫大な資金を惜しみなく注ぎ込んで建てたのが『長楽館』です。
竣工以来、伊藤博文をはじめとする明治の元勲たちや、
英国の皇太子、各国の皇族・大使など内外の賓客が訪れています。
設計者は、京都の平安女学院の建築にも携わったガーディナー。
外観は16世紀前後に流行した
古典的な美を求めるルネサンス風の3階建て。
イオニア式門柱を採り入れ、ステンドグラスや窓の形状は
アールヌーヴォー様式です。
『長楽館』は外観から眺めても、
館内のどこを見渡しても、
写真映え・インスタ映えすること間違いなし。
備え付けの調度品や椅子、シャンデリアやレリーフなどの装飾は
ほとんどが舶来の逸品。
明治の設えのまま遺り、調度品までが文化財になっており、
京都市有形文化財の指定を受けています。
重厚な扉を開けると華麗なロココ調の空間に迎えられ、
玄関ホールに薫る気品に胸が高鳴ります。
多くの部屋はそれぞれ趣の異なる建築様式が採用され、
令和になった今でもレトロモダンな魅力を醸し出しています。
春夏秋冬、多くのゲストがこの洋館に集い、
本物に触れた人々の喝采の声が聞こえてきます。
それでも、もともとお隣りとの席がかなり離れていますし、
現在はコロナ感染予防ために席数がさらに削られていますから、
密を避けてゆったりと優雅なひとときを満喫できます。
人気があるのは
[デザートカフェ」と「アフターヌーンティー」です。
往時の調度品を見ながら、
歴史の面影を探し、静かにくつろぐ至福の時間。
時間帯によってはピアノ演奏もあり、心地よい音色に浸れます。
珈琲&ティー、ケーキ類の味わいもひときわです。
ご予約や特製クリスマスケーキなどの詳細はHPでご確認ください。
11/27 山本(敏)