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娘に川崎病の疑い。新型コロナとの関係は?

まずはじめに結論からお伝えしておきますが、娘(3歳)は

・川崎病ではない可能性が高い
・新型コロナの心配もしなくていい

という診断を受けました。タイトルにドキっとしたよという方、すみません。
とはいえ、この結果が分かるまでの間、落ち着かない日々を過ごしました(夜も眠れぬほどというわけではありませんが、それなりに)。
いったいどのような経緯があったのか、どなたかのお役に立つこともあるかもしれませんので、ここに記録しておきたいと思います。

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はじめの症状

ことの発端は4月のはじめ。緊急事態宣言が発令される直前のこと。
在宅勤務中にもかかわらず私の膝の上にずっと座って、ずいぶん甘えるなあと感じる日が2日ほど続いた後、38度程度の熱が出て、嘔吐と下痢がありました。
病院に行きにくい状況でもありましたし、はじめは様子を見ていましたが、そのうち全身に赤い発疹が出現。腫れぼったい感じになり、本人も「かゆい」「痛い」と訴えるので、さすがにこれはヘンだぞと、かかりつけの小児科へ駆け込みました。
まず疑われたのは溶連菌感染でしたが、結果は陰性。血液検査では、「炎症反応があるけれど白血球の数値は正常」、つまり「何らかのウイルス感染でしょう」という診断に。このとき言われたのが「川崎病の可能性も考えられるから、明日以降に熱が下がらなかったら、もう一度連れて来て」ということでした。
「川崎病…?」聞き慣れない病名に若干不安を覚えつつ、この日は帰宅しました。

川崎病とは?

ここで先に、川崎病とはどんな病気か、簡単に説明しておきます(間違った認識があるかもしれませんので、詳しくはご自身で調べるか、お医者さまにお尋ねください)。
川崎病とは、1967年に川崎富作博士によって発見された疾患。血管に炎症が起こる病気です。体内に侵入した細菌やウイルスなどに反応した免疫機能が、自分の身体まで攻撃してしまうため引き起こされると考えられているようですが、何が原因になっているのかは未だ解明されていないのだそうです。
問題なのは、川崎病にかかった一部の子どもの冠動脈にこぶ(動脈瘤)ができてしまうこと。将来的に狭心症や心筋梗塞などを引き起こすことがあるそうで、若年者の心筋梗塞には、幼いころ川崎病にかかっていたと考えられるケースがあるのだとか。
川崎病は、下記6つの症状のうち、5つ以上当てはまる場合に診断がなされます。

1 高熱
2 白目の充血
3 唇が赤くなる、イチゴのようなぶつぶつの舌
4 体の発赤疹
5 手や足が腫れる
6 首のリンパ節が腫れる

このほか、BCGの接種跡が赤く腫れることもよくあるとのこと。そして回復期に、手や足の指先の皮がむけるというのが、川崎病の特徴的な症状なのだそうです。
うちの娘に該当したのは1、4、5の3つだった(BCG跡も腫れなかった)のですが、5つ揃わなくても川崎病が疑われることがあるらしく、かかりつけのドクターは、念のため注意した方がいいと考えて、「熱が下がらなければ再診を」と促してくれたのだと思います。

足の皮がむけた!

病院へ行った翌日、娘の体温は平熱まで下がっていたので、その後すぐに病院へ行くことはしませんでした。数日すると腹部の湿疹などはぽろぽろと皮がめくれて治り、そのままなんとなく快復していきました。
ところが、それから3週間ほど過ぎ、ちょうどゴールデンウィークが始まったころのこと。「あれ、なんか足の皮、むけてない?」と夫がいうので娘の足を見ると、ぺろーんと、まるで日焼け後のように、つま先や足裏、かかとの皮がむけているではありませんか。
「川崎病の症状に、足の皮がむけるってあったよね…?」何だか急に背筋が寒くなりました。折しもメディアでは、新型コロナウイルスと川崎病の関係性が報道され始めていたころでした。

当時伝えられていたニュースは、新型コロナウイルスの感染が爆発的に広がっていたニューヨークで、川崎病に似た症状を発症した子どもが急増しているというもの。
5月7日にはこの症例で5歳の男の子が亡くなったという悲しい報道もありました。
子どもは新型コロナに感染しても重症化しにくいと言われていただけに、これは大きな衝撃でした。

ドクターの診断

そして、このニュースを受けた我が家では「娘はやっぱり川崎病だったのでは?」という心配のほかに、「じつは新型コロナに感染していたのでは?」という疑惑まで持ち上がることになりました。
「今は元気だけれど、このまま放っておいていいものなんだろうか…?」
結局、どうにもこうにも不安で居ても立ってもいられなくなり、かかりつけ医に相談。紹介状を書いてもらい、川崎病に詳しいドクターのもとを訪れることになりました。
その専門の医師から言われたのが、冒頭に述べた通りの「川崎病でない可能性が高いし、新型コロナの心配もしなくていい」という診断だったわけです。

「川崎病ではなさそう」というのは、足の皮むけの様子やその他の症状・状況から、ドクターが結論付けたもの。
でも100%大丈夫だとは言い切れないから、念のため今後1年くらいかけて、心エコーや心電図で血管にこぶができていないかチェックしていきましょう、とのことでした。

「新型コロナの心配はしなくていい」というのは、新型コロナが広がってからの日本国内で、
・川崎病の患者数が増えたという事実がない
・新型コロナの感染者が川崎病に似た症状を発症した例も確認されていない
からだと説明されました(ちなみにこのことは、日本川崎病学会の声明としても発表されています)。
また川崎病というのは、アジア(とくに日本や韓国)で多く見られる病気なのだそうですが、こと新型コロナに関連する川崎病似症状に関しては、人種別にみると白人や黒人の発症例が多く、アジア系は少ないのだそうです。

…などなど、安心材料となるさまざまな説明を受けることができ、ようやくホッとできたのでした。

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さて、以上が今回の娘の病気の記録です。

川崎病もCOVID-19も、まだまだ分からないことが多い病気。
今回私は、この2つの病気の関係が広く叫ばれ始めた時期だったこともあり、ネットで検索すればするほど分からなくなって、ドツボにはまっていくという経験をしました。
新しい生活様式で、これからはウイルスと共存していくのだといいますが、本当に身近まで迫ってきたとき、私はどれだけ冷静でいられるのだろうか。そんなことを考えさせられた出来事でした。