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スタッフブログ

ペルソナ(仮面)の告白

みなさんは、自宅にいて空き巣と間違われ、通報されたことがありますか?

僕は、ありまぁす!(O保方さんふうに)

マーケ部門・新垣です。こんにちは。

個人的には戦後最大級の冤罪事件でしたが、その顛末を告白する前に、
騒動の引き金となった趣味についてご紹介します。

中学2年のころからプロレスマスクを製作してきました。
覆面レスラーがかぶっているアレです。

パターン(型紙)の作成、生地の防縮加工、裁断、ミシンで縫製と、
製作プロセスは衣類やバッグとほぼ同じ。
違うのは、「還暦の赤いちゃんちゃんこ」のように
普段使いが極めて難しいという点でしょうか。
プロレスマスク姿で香典を持って行った日にゃ、自分が火葬されかねません。

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だいたい、二度見されます

それはともかく。
1980年代前半、プロレス界で空前の虎仮面ブームが起こりました。
ゴールデンタイムに放送されていたプロレス中継は視聴率20%以上を記録。
当時の小中学生男子は虎仮面の四次元殺法に酔いしれたものです。

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ところが僕の興味は、タイガー本人よりも彼の覆面へと向かいました。
どうやって作られてるんやろう? 素材は何? 苦しくないんかな?

実物を手に入れたいけど、販売されているレプリカは安いものでも1万円ほど。
親にねだっても却下されるのがオチで、最悪、四次元殺法を喰らうおそれも。

こうなったら自分で作るしかないのか。
でもプロレスマスクなんて作り方知らんし……。

いや。

やれるとは言えない。けど、やるしかないんだ──。

プロレス雑誌の写真を元ネタに見よう見まねで作ることを決意する14歳の新垣少年でした。
セリフは宇宙世紀のアムロ少年とまったく同じですが、
発想は石器をD.I.Y.するネアンデルタール人のそれ。
ともあれ、「できる」「成功させる」と信じてのチャレンジがスタートしました。

作ると決まれば、まずは材料の入手です。

マスク本体の素材は、母親の社交ダンス用キラキラ衣装(無断で拝借 → 裁断)。
顔の模様部分は、姉ちゃんのエナメル製スポーツバッグ(無断で拝借 → 裁断)。
目と口のメッシュ部分は、親父のビジネスソックス(無断で拝……もうええか)。

無情にも家族の愛用品が次々と切り刻まれていきました。
げに、さはるものみな傷つくるギザギザハートの悪童なり。

縫製に関しては、まだミシンが使えなかったため手縫いでした。
ランドセルの職人さんが見たら、あまりのチープさに失神 or 失禁したはず。

しかも、出来上がった覆面は虎仮面とは似ても似つかぬシロモノ。
顔面リフォームに失敗した半笑いのキン肉マンみたいな容貌でした。
(そもそも虎仮面の目と口にメッシュなんてありません)

しかしその後、ミシンをマスターして、生地屋さんから本物と同じ材料を調達。
いつしか、実物と同じクオリティーのマスクを作れるようになりました。
チャレンジした結果の失敗の数々が、成長への貴重な経験となったわけです。
鶴橋などで違法販売されていたブランドバッグのバッタもんとノリは同じでしたが。

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これまで何枚作ったのか、正確にはわかりません。
人に譲ったり差し上げたりしたので、いま手元にあるのは10枚足らず。
酷使しすぎたミシンは再起不能で、壊れかけのRadio以下の状態となっています。
本当の幸せ教えてよ。

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そんなわけで、いつの日かJUKIの職業用ミシンを手に入れてまた作るぞ、
そう虎視眈々と目論んでいる今日このごろであります。はじまりが虎だけに。

 

冤罪事件の話をスッカリ忘れていました。

自室のベランダで即興コントをビデオ撮影していたら、
それを外から目撃した近所の奥様がプロレスマスク姿の友人を空き巣とカン違い。
即通報されてしまったという、1994年9月15日(敬老の日)の心温まるエピソードです。

休日に自宅でくつろぎ中だったオカンまで事情聴取され、
潔白とはいえ、あのときは本当に申し訳ないことをしました。
とんだ敬老のギフトとなり、息子の出産を悔やんだに違いありません。
27年後に会社のブログで謝っても仕方ないのですが。

ビデオ映像より。
このコントを見た近隣住民が110番 → 自宅にパトカー到着 → 誤解がとけてスピード印刷、
じゃなくてスピード解決

こんな目立ちまくりのドロボー、おるわけないがな。

〜 Fin 〜