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代表ブログ

創立20周年に思う

1996年3月に設立した当社は、今年創立20周年を迎えました。この20年は、一瞬の出来事のようでもあり、時が停止したまま無限に流れる不思議な夢のようでもありました。

私が印刷会社を始めようと考えるきっかけとなったのは、DTP技術の目覚ましい進化があったからです。製版技術といえば、それまで高度な職人技が必要であり、15~20年の経験が必要とされていました。そんな時、あるセミナーで「DTPというのがアメリカで生まれて、パソコンで簡単に製版ができるようになった」との情報を得て、胸が高鳴り興奮したことを鮮明に覚えています。それから程なく、日本語やカラーに対応したポストスクリプト・レベル2対応製品が次々と発表されるに至って、はっきりと印刷会社を始める決意をしたと記憶しています。

DTPが印刷業界に与えた影響は計り知れません。ただし決して良い影響ばかりではなかったと思います。しかしながら、当社に限って言えばDTPの誕生が無ければ、株式会社アーツは存在しなかったと断言できます。創業当時36歳だった私にとって、DTPに限らずワクワクすることが溢れていたこの時代は、本当に幸せな時代でした。加えて、印刷業はまだまだ成長できる産業だと思える時代でした。

現在の当社は、創業当時イメージした将来像からは、かけ離れてしまいました。オフセット印刷を無くし、営業部を無くし、プリントショップまでも無くしました。約20種の印刷単品サイトを運営するネット通販専業の印刷会社。デジタル印刷機のみで90%以上を内製している印刷会社。年賀状印刷でネット通販全国第1位の印刷会社。これらが現在の姿です。DTPの次に現れたインターネットによる大きな変化の連続。これらに合わせて、苦しみながら試行錯誤を繰り返した末に行き着いた姿です。

10年後の創立30周年の頃には、どのようになっているか、想像もつきません。ですから変化を恐れずチャレンジし続けることだけは大切にしたいと思っています。

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