少し前になりますが、大阪の梅田へ
写植機を見に行ってきました。
写植機を説明するには説明するための用語の説明が必要だったりするので、
説明はバッサリ割愛。ググって下さい。すみません。
今の若い人には全く想像もつかない、紙に印刷されるまで途方もない工程があった時の話です。
今でこそ、誰もがキーボードで文字が打てて、それを「CTRL(⌘)+P」で紙にプリント
出来てしまいます。現在のアーツも複数のオンデマンド印刷機があり、手軽に印刷出来ます。
キーボードもない時代、ネガフィルムの文字を写真のように撮影して印画紙に焼き付け、印画紙を切り貼りして版に現像。現像された版を印刷機にセットして版にインキをのせて紙に転写…。
この工程に何処かにゴマ粒程度のゴミでも付いていようものなら…。
ホント今はお手軽です。
アーツは設立23年の会社で、今はオンデマンド印刷機のみですが、設立当初はオフセット印刷の会社でした。設立数年目から版はPCからダイレクトで版を出せるCTP化をしていました。
当時としてはかなり早い方だと思います。とはいえ、フィルム・印画紙のイメージセッタ―もありましたし、出力サービスもしていました。
今思えば「ネガ・ポジ」「膜面上、下」ってよくやってたよなぁと。
写植機から電算写植へ移行する時も画期的でしたが、電算写植からDTPに移行する時は相当画期的だったんだと、この展示会を見て改めて実感出来ました。
電算写植機で文字打ちが出来る人は職人技で一握りでだったのを
キーボードで誰でもが文字打てる時代に変わったのですから。
ただ、電算写植はボタン2押しで漢字一文字が打てるので、職人技の持ち主なら現代のキーボードで文章を打つより電算写植機で文字を打つ方が今でも早いそうです。
限られた人で早く出来る方法に固執するか、時間が掛かってでも複数の人で出来る方法を取るか。当時は難しい判断があったんだと考えさせられました。
これは今で言うイノベーション。ものすごい変革。着眼点について、色々と考えさせられました。
生産部門 太田
下部にある文字が書かれたネガフィルムを顕微鏡の様なレンズで撮影。
上部の筒状の所に印画紙を巻き付け、そこに文字が転写される。
真ん中の歯車で字詰めを行う。送り・ピッチなどはこの歯車の動作から来ている言葉。
電算写植機。1つのボタンに文字が9つ。右側のボタンの9つの文字のうち、どれを選ぶかは左側のテンキーボタンで選択。これを使用していた人はこの配列が頭に入っていたそうです。すごい…。