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引退

2020年11月10日(火)
阪神タイガースの藤川球児投手が引退しました。

粉骨砕身。自分の身がどうなっても良いという覚悟と
人一倍のトレーニングと準備。
1球1球に相手に向かっていく強い気持ちで
戦ってきた22年間の現役生活に終止符を打ちました。

藤川球児投手はポジションでいうと
勝ち試合の最後に投げるクローザー。
試合の勝ち負けを左右する重要な役割です。

9月1日の現役引退発表。
7月から肩と肘のコンディション
不調で2軍にいましたが、
10月20日に1軍登録。
引退試合は11月10日。
という日程でした。

◆チケット争奪戦◆
引退する前にどうしても投げる姿を見たかった。
それぐらいに自分の中では特別な選手でした。
甲子園で見られるのは11月10日を含めて10試合。

引退試合のチケット争奪戦は
チケット発売開始早々に敗北。
コロナの影響で半分以下の入場者数で
狭き門の為、簡単に取れる状況ではありませんでした。

オークションでは15倍の価格にまでなっていて、
とても手が出ない状況でした。

引退試合は無理でも、11月5日の試合なら行けるので行ってみました。
引退試合の1つ前の甲子園での試合です。

◆登場をただただ願うばかり◆

試合を見に行ったからと言っても
必ず出場される訳ではありません。
チームは3位以上を目指しており、
負けられない状態。
出場出来る条件は
「大量の点差で勝っている状況」
もしくは
「大量の点差で負けている状況」

そして、この日の試合
2回終了時点で1対7と
ボコボコに打たれて、大量点差での負けている試合展開。

個人的には願ってもない展開で、
負けているけれど、出て来てくれる可能性が高い状況に、
今日だけはこのままで行ってくれ。と願うばかり。

しかし…
まさかまさかの6点差をひっくり返す大逆転勝ち。
接戦になった為、藤川投手の出場はなく、
嬉しいやら、悲しいやら。複雑な心境で家路につきました。

◆引退試合当日◆

引退試合をテレビでじっくり見るつもりでしたが、
見送りたい。このままでは気持ちが治まらない。
当日迷いに迷って、音漏れを聞きに甲子園へ。

もちろんチケットはありません。中に入れる訳でもありません。
甲子園に外には同じ気持ちの人が100~200名ほど。
思い思いの場所でその時を待ちます。

自分は本人に一番近い場所、かつ、音が聞こえやすい場所。
という選択肢で一塁内野と外野の間。
リリーフカーの真後ろの扉の前に一人陣取り、
時より吹く寒風の中、地べたに座ってその時を待ちました。

そして9回オモテ。
いつもの登場曲が場内に響き渡ります。
ブルペンから出てくる様子も聞こえる場所なので、
選手間の拍手なども聞こえました。
個人的には試合中に本人と近い距離にいた
ファンの数名に入るのではないか
と勝手に思っています。

藤川投手に対する熱い歓声。いつもの曲。
これで最後。心に刻み込むように聞いていました。

◆10年前に出来なかったこと◆

引退のスピーチが終わり、
1球限りの投球がありました。
矢野監督がキャッチャーになり
1球だけのバッテリーの復活でした。

これは10年前の2010年9月30日の矢野監督の引退試合に
話が遡ります。

当時阪神は中日ドラゴンズと優勝を争っていて、負けられない状態でした。
対戦相手は横浜。
正捕手は城島選手でしたので、矢野選手の登場は勝っている状態で
9回の2アウトになってからの登場。という条件付きでした。
そして試合は9回になり3対1で阪神のリード。
9回から藤川投手が登場します。あと2アウトを取れば
矢野選手登場という状況でしたが…。

先頭バッターにフォアボール。続いて2人目もフォアボール。
ノーアウト、ランナー1.2塁。
そして3人目の村田修一選手にレフトスタンドに入る3ランホームランを
打たれて、矢野選手の登場は無くなり、試合も負け、優勝争い中のチーム状況としても
痛手となる1敗となりました。

当時ライト外野席で見ていましたが、スタンドの人達からは
悲哀・怒号・落胆…様々な感情が溢れ出ていて、今でも忘れられない光景です。
レフトスタンドに向かって伸びる打球を「入るな」とあれほど思った事はありません。

でも今回の1球限りのバッテリー復活で、自分自身もあの時のモヤモヤを
スッキリさせる事が出来ましたし、他のファン、そしてご本人達もそうだったと思います。

この出来事の様に、藤川投手の投げる1球に阪神ファンは色々な思い、そして夢を託し、
祈って見てきました。それを叶えてくれた時も、叶わなかった時も、ファンは一緒に思いを共にしてきた感覚があります。

これほどまでに1球に魅了された事はありません。

試合と引退セレモニーはスマホで10秒遅れぐらいで見ていましたが、
ある程度は中の様子も分かって行って良かったと思いました。
直接見る事は出来ませんでしたが、
一ファンとしてありがとうを伝える事が出来たように思います。

生産部門 太田

本日の試合
11/5の試合。引退記念タオルを用意するも、この日の出場は無いまま終了。

一塁アルプス
今年からアルプススタンドの席幅が1.5倍の幅になり、
更にコロナで前後左右1席ずつ空いているので、思っている以上にスカスカ。
皆さんちゃんと間隔を空けて座っています。

扉の横
11/10 引退試合当日扉の真横を陣取る。傍から見てるとヤバいやつですね…

翌日の新聞
翌日のスポーツ新聞。報知は無いですが4紙購入