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泣ける翻訳絵本

こんにちは。マーケティング部門の浜野です。

昨日4/7(水)、長男の中学入学式でした。

学校から早速宿題として、「屋外の施設へ出かけて、気に入った風景のスケッチとレポートを作成する」というミッションが与えられたので、お昼から「アサヒビール大山崎山荘美術館」に行く予定にしていました。

が昼食中、阪急京都線が人身事故のため運転見合わせに…。

下の子との合流もできず、この日は中止となりました。
ブログででも紹介できるし、グッドタイミングと思ったのに残念。

※アサヒビール大山崎山荘美術館、とてもいいところなんです。
広い庭の散策も楽しいし、写真撮影一切不可の大正モダンな山荘は逆に居心地よく、テラスからの見晴らしも最高です!写生道具の貸し出しもあります。
美術館では、モネの「睡蓮」が、真近で椅子に座ってじっくりみれます。

…ということで今回は変更して、「中学生→英語学習が本格的に始動」」という(無理やりな)つながりで「翻訳がすばらしい絵本」を二冊、ご紹介します。

◆『ふたりはともだち』 作:アーノルド・ローベル /訳:三木 卓
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しっかり者のかえるくんと、おっちょこちょいのがまくん、仲よし二人の友情物語が、5編から構成されています。

一語一句、語尾に至るまで、二人のキャラがたちまくる和訳がすばらしいです。
かえるくんは出木杉君ぽく、がまくんはダミ声ののび太ぽく、二人の会話を声にだして読んでいくと、自然と北島マヤ(『ガラスの仮面』)になれてしまうから不思議。

「ああ」
がまくんが言いました
「とても いいお手紙だ」

5編目「お手紙」のラスト、少しかすれた声でこのセリフを声に出すと、「大人になって、心が汚れてしまったあ…」と自覚し、涙腺崩壊です。

 

『すてきな三にんぐみ』トミー・アンゲラー作・絵 今江 祥智訳
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悪だくみを繰り返す盗賊三にんぐみ。あるみなしごの女の子のひと言で、財宝の使い道を見出し、国中の孤児たちを集めて城をプレゼントします。

お話としては「べつに、ふつー」なのですが、日本を代表する児童文学作家・翻訳家の今江祥智さんにかかれば涙腺崩壊。

ラスト、泥棒三人組の行動は時を超えて、たくさんの子どもたちに幸福をもたらします。

These people, in memory of their kind foster fathers, built three tall, high-roofed towers. One for each of the three robbers.

これが、今江訳になると、

そして みっつの たかい とうを たてた。
みんなの すてきな さんにんぐみを わすれないため。
ほら ごらん。まるで さんにんに そっくりだ。

「ほら、ごらん」と翻訳する今江さんのセンス…。

国語が好きで「将来小説家になりたい!」と夢見ていたものの、現実に向き合うお年頃になったのか「小説家、やっぱムリー」に変わった長男12歳。

中学校でたくさん英語を勉強したら、こんな道もあるかもしれません。